【知床岬】原生林を徒歩で掻き分ける|観光船で全体像を鑑賞

siretoko

知床岬はまさに秘境の地と言える場所であり、知床半島の先端部からオホーツク海に向かって突き出すようにして位置する岬です。

ここへ行くとすれば、観光船に乗ることで海から眺めることもできますし、上級者であればトレッキングをしながら向かうこともできます。

本日は知床岬についてお話するとともに、ここへ向かう2つの方法について具体的にご紹介していきたいと思います。

知床観光の際の参考にしていただければ幸いです。
それではご覧ください。

知床岬とは?

知床岬とは、世界遺産に登録されるほど豊かな自然に恵まれた美しい岬です。
知床半島の先端部からオホーツク海に向かって突き出すように存在する知床岬は、位置的には北海道北東部です。

知床岬には手つかずのままの自然に囲まれた環境で、ヒグマやエゾシカ、北海道内でも140羽程度しかいないとされるシマフクロウなど、希少な動物たちや絶滅危惧種の動植物たちがありのままの姿で活動しています。
夏にはイルカやクジラが顔を見せ、冬には流氷が押し寄せることでアザラシなどもやってきます。

また、知床半島でしか見られないシレトコスミレという希少な高山植物も知床岬で見ることができます。

知床岬は、町が40年も前から開発から原生林を復元する事業に力を入れていたこともあり、そんな長年の努力もあって世界遺産にも選ばれました。

ここへは陸路を経て車で行くことが不可能となっており、観光クルーズ船に乗って海から眺めるか、かなりの上級者向けコースではありますがトレッキングをしながら目指す方法があります。

安全なのは観光クルーズ船ですが、トレッキングで向かう道中は他では決して見ることの出来ないような自然と触れ合いながら知床岬を目指すことが可能です。

これより、2つの方法について詳しくお話して行きたいと思います。

陸地からも知床岬へ行ける

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徒歩というよりは、トレッキングといったほうが良いです。知床半島の3分の2までしか車で行けないので、そこから先は手つかずの自然の中を進まなければなりません

もちろん、登山道は整備されていません。半島東の羅臼側を闊歩していきます。

入念な準備が必要

役所で入林届を出しておく必要があります。登山届と同じで、万が一、遭難した場合に捜索してもらえます。さらに、ルサフィールドハウス、羅臼ビジターセンターに行かなければなりません。
そこで知床先端部に入ることの危険性や、ヒグマ情報、崩壊箇所などの予備知識を得ます。あわせて、知床先端部地区利用の心得を入手します※。

※参考:環境省 羅臼自然保護官事務所 「知床先端部地区に立ち入る方へ」 https://www.jma-sangaku.or.jp/tozan/document/26120110616siretoko2011.pdf

手つかずの自然の中へ

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人が入ることは想定されていないので、相当の技術と経験が必要になります。ハイマツが立ち込めて方向が分からない箇所では、コンパスを上手く使わなければなりません。

流行りのボルダリングさながらに、重いザックを背負いながら崖を横ばいに進むこともあります。川が近いエリアなどでは、もちろんヒグマの出てくる可能性があります。

帰りも徒歩が必須

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クマ撃退スプレーやテントなど、万全の準備が必要です。知床岬に着いても、そこから船で帰りはラクラク、というわけにはいきません。

船での岬への上陸は禁止されています。帰りもやはり自力で踏破する必要があります。

過酷な工程だからこその感動

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知床岬を徒歩で行くのは大変です。しかし、だからこそ、岬に到達したときの感慨も違います。徒歩で行かなければ見られない景色、感動があるといえます。

また、タケノコ岩やメガネ岩、念仏岩、近藤ヶ淵、女滝、男滝、灯台など徒歩ならではの踏みしめて感じられるスポットも多いです。

知床岬トレッキングの注意点など

知床岬へのトレッキングの道中はとても過酷な環境をくぐり抜けて行かねばならないため、それなりの知識と経験がないと目的地到達は不可能です。

まず以下の3つのポイントは最低限クリアしておきましょう↓

・15キロ以上の荷物を背負いながら歩ける体力があること
・岩登りに関する知識と経験があり、危険にさらされた時も的確な判断を下せること
・不安定&膝と足腰への負担が大きい石浜の上を一日中歩けるくらいの体力と脚力があること

準備するべきものや装備は以下の通り↓

装備品
・ヘルメット
・ハーネス
・登山靴
・クライミングロープ安全環付きカラビナ加工期

所持品
・レインウエア
・シュラフ
・地図計&コンパス
・ラジオ&天気図
・クマ撃退スプレー
・フードコンテナ
※あると便利なもの
・防水バック
・スポーツサンダル

そして覚えておきたい心構えや注意点は・・・

・知床岬に野営する場合は植生や遺跡に影響を与えないこと(※野営はアブラコ湾の海岸礫地飲みでそれ以外は禁止されています)
・番屋は個人の所有物のため無断利用禁止
・漁船はトレッカーのものでないため歩いて行く&帰るが基本です
・安全に細心の注意を払い自己責任で行動する
・番屋前の石場は漁師さんたちの昆布干場となっているため踏み荒らさず、通行の際も邪魔せず挨拶をすること

事前に知っておくべき待ち受ける困難は・・・

・石浜
・巨岩帯
・ヒグマ
・野営
・岩壁&高巻き
・へつり
・岩礁

以上のような過酷な環境が3日~4日と続くことを念頭に置き、覚悟を持って挑みましょう!

どこでどんなタイミングでヒグマと遭遇するかは分かりません。クマ対策をしっかりと行い、クマの餌となるカラフトマスが押し寄せる川の付近にテントを張るのも避けましょう。

観光船での鑑賞が一般的

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上記のような徒歩でのアプローチはとてもじゃないけど、という人には、やはり一般的な観光船での鑑賞がおすすめです。

大型船か小型船かの違いが顕著

ウトロ港から知床岬へは、往復で大型船(おーろら)なら3時間45分、小型船(知床遊覧船など)なら3時間です。

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大型船のほうがのんびりと鑑賞できます。しかし、小回りやスポットへの接近という意味では小型に比べて難点があります。

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小型船は揺れが大きくなりがちですが、スピードの増減が容易です。そのため、所要時間も短くて済みますし、名スポットでは止まったり、かなり接近したりすることも可能です。

料金は小型船のほうが高くなる傾向があります。たとえば、大型船のおーろらは6500円、小型船の知床遊覧船は8000円です。

知床岬へは、最長のコースとなるので、大型船か小型船かの違いが、時間や料金、快適さなどの点で顕著に出ます。慎重な選択が望まれます。

知床岬の全体像が観られる

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観光船での鑑賞は、やはり知床岬の全体像を鑑賞できるのが魅力です。先端を見ることで、最果ての地を堪能している実感が湧きます。

知床岬付近にやってくる野生動物たち

知床岬付近の海には豊富なプランクトンが含まれていることから、クルーズ船でここらへんに到達すると餌を求めてやってきたイルカやシャチの群れや、クジラに遭遇する可能性もあります。

ヒグマやオジロワシなど希少な知床の野生生物にフォーカスした小型船なども運航しているため、より知床のワイルドな自然を味わいたい人にはおすすめです。

5月~10月はマッコウクジラ、イルカ、シャチ、ミズナギドリなどの大群、
1月~4月の冬季には知床岬に流れ着いた流氷とともに越冬しに来たアザラシやオジロワシなど希少な動物たちに出会うことができます。

観光クルーズ船で訪れる知床岬の見所とは?

観光クルーズ船の知床岬での見所は、断崖絶壁の岩肌や崖の上、巨大な岩から吹き出すように流れ落ちる滝です。まるで映画のワンシーンのような大迫力の光景をぜひ楽しんで。

また、普通の人たちは接近することができない「知床岬灯台」もクルーズ船からなら望遠することが可能です。この灯台は日本の灯台にも選ばれている灯台で、1963年に初点灯した知床国立公園特別保護地区内にあるコンクリート製です。
こちらは世界遺産に登録されている知床にある灯台としてぜひ1度は目にしたい珍しい存在です。

information

名称 知床岬
住所 斜里郡斜里町遠音別村岩尾別
電話番号 0153-87-2402(羅臼自然保護官事務所)

いかがでしたか?知床半島には他では決して見られないような貴重な景色やスポットが多数点在していますが、中でも知床岬はまさに秘境の地と言えるような簡単には足を踏み入れられないようなスポットです。

しかし、ありのままの手つかずな自然が豊富に残る地でもあることから、一見の価値があるスポットです。

トレッキングの知識と技術がある人は心して挑んでみるもよし、気軽に観光クルーズ船に乗って眺めてみるもよし。

知床岬は、知床観光の際にはぜひ訪れてみて欲しいおすすめスポットと言えるでしょう。

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