「カムイワッカの滝」をご存知でしょうか。
実は、カムイワッカ川から流れ落ちる滝には、大きく分けて2つのものがあります。
1つは、陸地からアタックできる「カムイワッカ湯の滝」、もう1つが、海側から観光船に乗ってでなければ観ることができない「カムイワッカの滝」です。
名前は非常に似ていますが、陸から行くのか海から観るのか大きな違いがあるので、注意が必要です。
今回は、この2つの滝のアクセスの仕方とその際の注意点などをご紹介していきます。
「カムイワッカ湯の滝」とは
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「カムイワッカ湯の滝」とは、北海道斜里郡斜里町のカムイワッカ川にかかる滝のことです。
標高400メートルから落差20メートルの渓流瀑で、滝自体が天然の温泉となっています。
滝つぼは天然の露天風呂となっており、野湯とも言われます。
知床八景のひとつとして以前から知られていましたが、2005年7月14日に世界遺産に登録されてからは、カムイワッカの滝を訪れる観光客が急増しました。
ただ、このカムイワッカの湯の滝つぼまで到達するには、滝の中をのぼっていく必要があります。そのため、準備なしでは容易には行くことができません。
カムイワッカ湯の滝へ行く前に
1⃣「カムイワッカ湯の滝」への行き方をよく確認する
知床は、世界遺産の地ということもあり、手つかずの自然がたくさん残っています。そのため、カムイワッカ湯の滝に到達するまでの道が完全に整備されているわけではありません。つまり、天候やその日の状況によってアクセスできる方法も変わります。
♦行ける期間は、5月末頃~10月下旬頃まで
♦交通手段は、「シャトルバス」「普通自動車」「バイク」「徒歩・自転車」
♦「シャトルバス」は8月のみ運行(ウトロ温泉バスターミナルより、大人¥1,980)
♦「普通自動車(自家用車)」は規制があり、シャトルバスが運行される期間は通行不可
→野生動物が飛び出してくる危険あり
♦「徒歩・自転車」は期間内いつでもOKですが、野生動物に注意
※無料駐車場あります
5月末~7月末 | 8月1日~8月25日 | 8月26日~10月下旬 | |
シャトルバス | 運行無し | 〇 | 運行無し |
普通自動車 | 〇 | × | 〇 |
バイク | 〇 | × | 〇 |
徒歩・自転車 | 〇 |
詳しくは「カムイワッカ湯の滝|知床自然センター公式サイト」でご確認ください。
2⃣「普通自動車(自家用車)」の場合の注意点
普通自動車(自家用車)規制のない時期にカムイワッカ湯の滝に向かう場合、基本的にみなさん自家用車を使う方が多いかと思います。その際に注意していただきたいのは、ここが手つかずの大自然であるということ。
つまり、舗装されていない、道幅も狭いところを通行しなくてはいけないというわけです。この道を対向車とすれ違ったり、時には野生動物たちが突然飛び出してくることもあります。
そのため、運転に自信のある方でも細心の注意を払って運転するように心がけましょう。
3⃣肌が弱くないか確認
「カムイワッカ湯の滝」の成分は強酸性で、源泉はpH1.6-1.8となっています。そのため、肌が強い人でも長く浸かっていたりすると皮膚に強い刺激を受けてしまいます。肌が弱い方は滝登りが最後までできない可能性も十分考えられますので、そういった点もご確認ください。
4⃣服装はとても大事です
カムイワッカ湯の滝まで行くためには、滝の中をのぼっていく必要があるとお話しましたが、その際の服装は大変重要になってきます。
5️⃣滑落事故に細心の注意を
世界遺産登録後、有名になったカムイワッカの滝には多くの観光客が集まるようになりましたが、滑落事故も多発しています。
大自然の中流れ落ちる滝の中を登って行くというのは、中々体験することができない貴重なものですが、ありのままの自然を残したカムイワッカの滝には、安全性や登りやすさなどを考えた設備などは一切行われていません。
よって、ある程度の知識と体力がなくてはなりません。「沢登り」というものの初歩的な知識と技術は持ってして挑んだ方が良いでしょう。
・とにかく川の中は滑りやすいということを忘れずに
・万が一転んだ時のために両手には何も持たず空けておくこと
・行けるのは一の滝までで更に上流へは行かないこと
・携帯の電波は届かず、救急車を呼んだとしても30分以上かかってしまう場所であることを忘れずに
・ロープがかけられていても絶対に触らず掴まず!
(カムイワッカの滝には設備がされていないと説明しましたが、前に来た観光客がかけて行った工事用ロープなどがある場合もあります。このロープは温泉成分によって腐食していたり適当な結び方であったりするため大変危険です。)
《必須アイテム》
♦マリンシューズ、もしくはそれに類する、ぬれても大丈夫な靴
マリンシューズはぬれても大丈夫ですし、滑り止め効果もあります。
サンダルでもいいかもしれませんが、滑って脱げてしまわないようにご注意ください。
♦短パン、もしくは上までまくれるズボン
足元はひざあたりまで確実にぬれてしまいます。
♦タオル
ぬれてしまった足をふくために、持っておくと良いでしょう。
♦水着
全身浸かりたい場合は、あると良いでしょう。
♦防水のケース
携帯やスマートフォンは万が一落としても大丈夫なように、防水のケースに入れて行くと安心です。
いざカムイワッカ湯の滝へ
車やシャトルバスで、カムイワッカ湯の滝の入口まで行きます。
カムイワッカ川にかかる橋を渡ります。この川を上っていくと湯の滝に、下っていくとやがてオホーツクの絶壁に達し、そこから流れ落ちるカムイワッカの滝となります。
もちろん、上ることはできても下ることは禁止されています。
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約10分で到着
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沢登りを始めたばかりの頃は、まだかなり水が冷たいです。しかし、斜面を登れば登るほどに、徐々に温かくなってきます。また、のぼる際には手すりやロープなどはないため、川底を掴みながらゆっくりのぼるようにしてください。
スタートから約10分で目的のカムイワッカの湯の滝に到着します。実は、湯の滝は一の滝から四の滝まであります。
数字が増えるほど高度が上がり、水温も高くなります。落石や斜面の危険から、実際に行けるのは一の滝までです。一の滝は温泉と呼ぶにはまだ冷たく、温水プールのような感じです。そのため、夏は水着を用意して水浴びのように楽しむ人が多いです。
自分の足で苦労しのぼってきたことに加え、大自然の中で感じる温かさは格別です!
帰路は往路よりも疲れていたり、下り坂のため危険な所も多いかと思いますのでご注意ください。
Information
【名称】 カムイワッカ湯の滝
【住所】 〒099-4356 北海道斜里郡斜里町遠音別村
【電話番号】 0152-22-2125 (知床斜里町観光協会)
(知床自然センター)
【アクセス】
・シャトルバス:知床自然センターから湯の滝入口まで約43分 時期により運行なし
・車:知床五湖から湯の滝入口まで約30分 時期により通行規制あり
「カムイワッカの滝」とは
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「カムイワッカの滝」とは、カムイワッカ川の水が直接、オホーツク海に落下してできる滝のことです。幅が広く、落差は約30mの名瀑です。カムイワッカ湯の滝とは違い、こちらは陸路で近づくことはできず、ウトロ港から運航される遊覧船から見ることができます。多くの観光船では、カムイワッカの滝コースといって、この滝を目的地としてウトロへ引き返す内容を設定しています。
カムイワッカ湯の滝でもお話しましたが、この水は硫黄などを含む強酸性であるため、河口付近の岩場には藻がほとんど生えず、化学反応で海水がエメラルドグリーンに輝いています。流れ落ちる水の光景とあいまってとても綺麗だと評判です。
カムイワッカの語源とは
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カムイワッカとはアイヌ語で神の水を意味しています。
ここで言う神ですが、「神=魔の水」という方がしっくりくる語源なようです。活火山である硫黄山から流れ着くカムイワッカ川は昔、有毒であったため生き物は棲むことができない環境であったそうなのです。
現在のカムイワッカ湯の滝も歩いていて分かると思いますが、魚は一切生息しておらず、ごく一部の微生物のみとなります。その微生物の影響で川の底や緑の岩は変色しているのです。
活火山である知床硫黄山の中腹から流れ出た神の恵みのような温泉水の結末を見られるのが、カムイワッカの滝コースの醍醐味です。
知床遊覧船でカムイワッカの滝を海上から楽しむ
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3⃣カムイワッカコース(所要時間:1時間)
「ウトロ漁港」→「プユニ岬」→「フレペの滝」→「男の涙」→「象の鼻」→「五湖断崖」
→「エエイシレド岬」→「カムイワッカ湯の滝」
まで行って「ウトロ漁港」へ戻ってくるコース
約1時間の遊覧コースのため、気軽に参加することができます。
【料金】
大人/3,500円 小学生/1,750円
【運行期間】4月20日~11月15日
♦4月20日~9月15日 ①8:15 ②10:30 ③12:30 ④14:30 ⑤16:30
♦9月16日~10月5日 ①8:15 ②10:30 ③12:30 ④14:30 ⑤16:00
♦10月6日~11月15日 ①8:15 ②10:30 ③12:30 ④14:30
【所要時間】1時間分
【集合時間】出航時間の30分前までに 知床遊覧船店舗まで
【最小運行人数】7人
【最大人数】65人
【服装・持ち物】
・羽織るもの
・カメラ
・双眼鏡(インターネット予約特典で無料で借りられます)
Information
【名称】 (有)知床遊覧船
【住所】 〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東53
【電話番号】 0152-24-3777
【駐車場】無料駐車場あり
まとめ
いかがでしょうか。カムイワッカの滝は実は2つに分かれているということがわかりましたね。
陸地から「カムイワッカ湯の滝」へ行く際は、十分な準備をした上で自己責任で行動し、大自然の露天風呂を満喫してください。
また、エメラルドグリーンの「カムイワッカの滝」 も海上から遊覧船で観光することができます。
陸地、海上の両方から“カムイワッカの滝”を満喫したい方は、カムイワッカ湯の滝の水温やウトロ港から出る遊覧船等の運行時期を考えてみると、やはり夏の時期に行くのがおすすめです。ただ、知床は夏といえども滝つぼに浸かったり、海上で海風にあたると寒さを感じることもありますので、羽織ものを1枚多く持つなどの工夫も大切です。