知床の大自然には、野生動物が多数生息しています。陸の哺乳類や海の哺乳類、また空を悠々と飛び交う鳥類たち。
知床で見られる野生動物は、数をあげればきりのないほどたくさんいます。このように知床という土地に、野生動物の種類が多いのは、ここがそれだけ多様なエサ資源と生息環境を備えているからこそです。
今回は知床で見られる野生動物の一部をご紹介していきます。あなたも実際に知床に行って、そこに住む野生動物たちに会いたくなるかも知れません!
知床の野生動物~陸の哺乳類~
ヒグマ
知床で見られる野生動物の代表格と言っても過言ではないのは、「ヒグマ」ではないでしょうか。
北海道に生息しているヒグマはエゾヒグマと呼ばれており、世界でも北海道にしか生息していないクマです。
日本に生息している陸の哺乳類の中でも最大の動物で、大きいものだと500㎏近くになるものもいます。
知床を訪れる際には、もし見つけても大変危険ですので、近づいて写真を撮ったりしないでくださいね!人に対して恐怖心がなくなってしまったヒグマは、北海道では問題になってきています。
エゾシカ
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知床半島で最も身近に見られる野生動物は、「エゾシカ」ではないでしょうか。知床半島の観光スポットの一つ「知床五湖」周辺でも、多くのエゾシカに高い確率で会えます。
北海道全域で見ることが出来るエゾシカですが、増えすぎたことによりさまざまな被害が出ていることから狩猟の対象にもなっています。
知床半島では、エゾシカなどの野生動物が突然車道に飛び出してくることもあるので、運転する際は細心の注意を払って運転することをおすすめします。
エゾリス
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北海道でしか見られない野生動物の1つ「エゾリス」は、体長約25cmほどで、シッポはそれと同じくらいの大きさ、約20cmあります。
運が良ければ、知床半島の森で出会えることがあるかもしれませんが、とても小さい野生動物なので、見つけるのは困難かもしれません。
エゾクロテン
「エゾクロテン」という名前を聞いたことが無いという方も多いのではないでしょうか。日本では北海道の知床や道東、道北にしか生息していない野生動物です。大変警戒心が強くなかなかそのかわいらしい姿を見せてはくれません。まん丸のかわいらしい目をしていて、時々二本足で立ち上がったりするかわいらしい動物です。
キタキツネ
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知床半島のどこでもみられる「キタキツネ」は、北海道を代表する野生動物の1種として有名です。
毛皮がモフモフしていてとてもかわいい野生動物ですが、エキノコックスという寄生虫に感染してしまう恐れがありますので、絶対に触らないように注意しましょう。エキノコックスに感染してしまうと死に至る可能性もあります。これは北海道特有の寄生虫で、水を介しても感染するので、知床をはじめ北海道では決して生水を飲まないようにしご注意ください。
エゾタヌキ
知床の野生動物の中でも大変レアなエゾタヌキは、北海道在住の方でもなかなか出会うことはありません。
エゾタヌキは、北海道全域ではエゾシカやキタキツネに比べると圧倒的に見る機会が少ないですが、知床半島には割と生息しているようです。
冬の間は、ほとんど食物を摂取せず、木の芽などをわずかに食べて、穴の中にこもり冬を越しています。
春になると活動を始めるカエルを主食として、活動の範囲も広くなり、沢筋や池の近くが多
くなります。そのほかに昆虫類やカタツムりなども食べます。
エゾタヌキに会えるとしたら、春以降がチャンスです!
知床の野生動物~海の哺乳類~
トド
知床ではポピュラーな野生動物「トド」は、体長2~3m、体重は240kg~1tにも達し、アシカ類の中では最大の動物です。
知床には、毎年多くの野生のトドがやってきますが、知床でトドを観察できるのは12月~1月と短く、2月頃になるとほとんどのトドは沖合に出て行ってしまいます。
シャチ
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知床では、海でも様々な野生動物に出会えることができます。知床羅臼沖では、海のギャングともいわれる「シャチ」が豪快に海を泳いでいます。この、海の王者は、アザラシやペンギンを襲い、ときには集団でクジラを狩ることもあると言われています。
マッコウクジラ
「マッコウクジラ」は、歯のある動物としては世界最大です。イカ類を主食とし、水深3000m以上の深さまで潜ることができ、一度潜ると40分ほどは浮上しなくても平気です。知床の海にいるマッコウクジラは、雄がほとんどで、雌と子供の群れは小笠原諸島近海に定住しているそうです。
クロツチクジラ
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知床は野生動物の宝庫と言っても過言ではありません。そんな知床で2019年に新種「クロツチクジラ」が発表されました。
2019年からさかのぼること7年前の2012年に、羅臼町内の海岸に一頭のクジラが死骸となって打ち上げられたことがありました。
漂着後にクジラの死骸は回収・解体され、様々な調査や研究が重ねられた末、新種であることが確認されたそうです。
クロツチクジラは、胴体の長さに対してクチバシが短く、クチバシの先端は白色をしています。また、体の色が黒いのが特徴です。
ミンククジラ
ミンククジラはオキアミなどのプランクトンをエサとし、数万羽のハシボソミズナキドリとともに、例年5月頃に、知床羅臼沖で見ることができます。
ヒゲクジラ亜目の中で、2番目に小さいクジラで、大人のオスで平均体長6.9メートル、メスで7.4メートルだそうです。
近くで見てもあまり大きくなかったらミンククジラかもしれませんね。
普段は黒色の背中を出してゆっくり泳ぎ、ごくたまにジャンプすることもあります。また、潮吹きもしますがあまり目立ちません。
イシイルカ
イシイルカの体長は約2メートル、寒流性のイルカで頭は小さく前頭部は短く尖っています。
また、体の色は白と黒が特徴的であるため、一見するとシャチに間違えてしまうこともあるでしょう。
泳ぐ早さは約55kmと高速のため、発見してもなかなか写真を撮ることができないでしょう。
船についてきて、船の波で遊んでいる様子も見ることができるでしょう。
ゴマフアザラシ
ゴマフアザラシは、温かい浅瀬や流氷の上にいることが多く、クルーズ船に乗ると高確率で出会うことができます。運がよければ、岬などの陸地からも見ることもできます。
クラカケアザラシ
クラカケアザラシは、流氷の上で休息や睡眠をとることが多く、単独性が強いため大群で一緒にいるところを見ることはできません。
クラカケアザラシの体は黒色の地に首、前肢、腰を取り巻く白い帯があり、これが馬具の鞍を掛けたように見えるため、「クラカケアザラシ(鞍掛海豹)」と名付けられました。
なおメスや大人になる前のオスではこの帯は不鮮明なため、はっきりした帯が見えた場合は、オスであることがわかりますね。
知床の野生動物~鳥類~
シマフクロウ
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知床に生息する野生動物の中でも、絶滅危惧種として指定されている「シマフクロウ」は、世界最大のフクロウです。野生では140羽ぐらいしか生息していないといわれています。
タンチョウ
「タンチョウ」は、日本で繁殖する唯一の鶴で、国の特別天然記念物にも指定されています。翼を広げると2.4mほどにもなり、日本で最大の鶴でもあります。絶滅したと考えられていた時期もありましたが、1924年に釧路湿原に生息していることが確認され、今では知床でも見られるようになりました。
ケイマフリ
絶滅危惧種にも指定されている「ケイマフリ」。その名を聞いて姿を想像することはできますか?体全体は黒いですが、目の周りは白くなっており足は鮮やかな赤色をしています。
ケイマフリという名前は、アイヌ語で「赤い足」を意味している言葉から来ているそうです。
オジロワシ・オオワシ
オジロワシ・オオワシは、国の天然記念物であり、絶滅危惧種にも指定されている、空の王者として知られています。
毎年1~4月頃にかけて、越冬のためにユーラシア半島北部から、オホーツク海・根室海峡沿岸に飛来します。
特に知床では、根室海峡側の羅臼沖にいる、エサとなる魚を求めてやってくる、多くのオオワシ・オジロワシを目撃することができます。
オオワシ・オジロワシの群れを見たい場合は、羅臼港から出港する観光クルーズ船がおすすめです。
海上を悠然と飛ぶ姿や、寒い時期には流氷の上で羽根を休めたり食事をしている姿も見ることができます。
ここで、オジロワシとオオワシの見分け方の最大のポイントは、「くちばし」です。
オジロワシは、薄めの色をした「くちばし」で、オオワシは、より鮮やかなオレンジ色から黄色をした「くちばし」です。
また、オジロワシの体の色がグレーなのに対して、オオワシの体の色は、はっきりとした黒と白です。
ハシボソミズナドリ
ハシボソミズナドリは、体長約40センチメートルほどで、全身がほぼ黒褐色で覆われており、喉から体下部分は灰褐色となっています。
また、くちばしは短めで額がでっぱっているように見えるのが特徴的です。
知床・羅臼では春から秋にかけて沖合に大群が出現しますが、このハシボソミズナギドリが集まる場所には、同じくプランクトン類をエサとしているミンククジラも集まり、共存し合っています。
まとめ
今回は、知床の野生動物についてご紹介してきましたが、いかがでしょうか。
知床には、様々な野生動物が生息していますが、頻繁に出会えるものもいれば、めったに出会えない希少性の高いものも存在していることがわかりましたね。
また、知床には、絶滅危惧種・国の天然記念物に指定されている野生動物も数多く息づいています。
さらに、知床には、これまでご紹介してきた野生動物以外にも多種多様な動植物が生息し、多種多様な生態系を作り出しています。
あなたも、知床へ野生動物に会いに行ってみませんか?