フレペの滝とは、通年水量が少なくしとしとと流れ落ちるその様から「乙女の涙」とも呼ばれ、川がなく海に直接流れ落ちるという珍しい構図の滝です。
フレペの滝を見るには陸地を通って展望台へ向かう方法と、クルーズ船に乗って海から眺める方法とがあります。
春から秋のフレペの滝ももちろん美しいのですが、冬に凍ったフレペの滝は神秘的で他では決して見ることができない絶景です。
本編では、フレペの滝を見るための2つの方法を詳しくご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
それではご覧ください。
フレペの滝とは?
フレペの滝とは、アイヌ語で「赤い水(川)」という意味があり、
別名「乙女の涙」とも言われている滝です。
通年水量が少なく一般的な勢いよく流れ落ちる滝とは異なり
「しとしと」と流れ落ちているという特徴があるからです。
滝の落差は60mほどです。
高さ約100mにもなる切り立った断崖の途中から
滲み出るように流れ落ちるその水の正体は、
知床連山の山々から流れ着いた雪や雨が溶けた地下水です。
さらに異風なのが、「滝が海に直接流れ落ちていること」
滝壺に流れ落ちるのが一般的な滝なので、
フレペの滝はそういった点で見ても貴重な光景であり、
一見の価値があるスポットと言えるでしょう。
そんなフレペの滝を見る方法は2つありますが、
1つ目は陸にある展望台から滝を見下ろす方法、
2つ目はクルーズ船に乗って海から眺める方法です。
今回はその両方についてご紹介していきますので、
参考にしていただければと思います。
フレペの滝遊歩道から向かう
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まずは、陸地からフレペの滝に向かう方法をご紹介します。
フレペの滝遊歩道が知床自然センターから続いていますので
ここを利用して、チカポイ岬に設置された展望台へと向かいます。
出発前にヒグマの最新情報について自然センターで仕入れておきましょう。というのも、この一帯はヒグマが出没する危険があるからです。
もしものときの対処法などもレクチャーしてもらえますし、
長靴や熊撃退スプレーなどのグッズもレンタルすることができます。
知床の自然を満喫しながら進む
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フレペの滝展望台までは、徒歩で約20分(1km)です。遊歩道は知床の雄大な自然に抱かれているので、景色を楽しみながらゆっくりと散策することが可能です。
最初は開拓時代の名残が残る鬱蒼とした森を通り抜けていきます。
少しの間坂道が続くので、森の木々たちの様子を楽しみながら
自分のペースでゆっくりと進みましょう。
時折聞こえてくるアカゲラの鳴き声(主に北日本に生息するキツツキ。お尻が赤く、キョッキョッと鳴くのが特徴)が耳に心地良いです。
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そうして歩いているといよいよ断崖が近づいてきます。
入り江から吹く強風の影響で木々があまり育っていない草原が広がっていますが、
運が良いと草を食べるエゾシカの姿が見られることもあります。
また、可愛らしいキタキツネがお目見えすることも・・・!
緑の景色に目を凝らして進みましょう。
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森を抜けると広大な草原に出ます。砂利で整備されていて豊かな風と空気を存分に味わいながら安心して進めます。
ところどころに見られる強風により変形したカシワやイヌエンジュの木も見ものです。
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オホーツクの海に滴る乙女の涙
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やがて海の匂いと天然記念物であるオジロワシの鳴き声が聞こえてきたら、フレペの滝に到着です。
眼下には切り立った知床の絶壁とオホーツクの広漠とした海が横たわっています。そこへ湧き出すように楚々として流れ落ちるのがフレペの滝です。
冒頭で述べたように、地下水の滝なのでその水量が少ないのが特徴です。まるでしとしとと滴る涙のようだということで、「乙女の涙」と呼ばれています。
また、ここから一望できる知床連山の大パノラマも圧巻の景色です。
観光船からは滝全体が見られる
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ウトロ港から出る観光船でも、フレペの滝をメインスポットの1つとしています。船からだと、川からではなく、岩肌から水が染み出して落ちる様をよりしっかりと観察できます。
陸地から見るのとはまた違った魅力を感じられます。展望台からだと、どうしても下にあるので、滝の全体を見ることができません。
船からだと滝の全体像がよく見えるので、よりその繊細さと乙女の涙の印象を強く感じられます。
また、岩壁にはカモメやウミウなどのコロニーがあるため、厳しい自然環境の中でたくましく生きる野鳥の姿を見ることも出来ます。
冬に見られる一風変わったフレペの滝とは?
春から秋にかけてのフレペの滝はもちろん見ものですが、
冬のフレペの滝も見事な景色なんです。
それは、凍り付いた滝「氷爆」というもの。
まさに自然を目の当たりにするその光景は迫力満点です!
ちなみに2月に訪れた人の体験記には、
美しいブルーに氷結した滝の脇から細い滝が流れていて
とても美しい光景だったそうですよ。
また、真っ白に覆われた知床連山の姿は神々しいほどに美しいとのこと。
さらには、オホーツク海に流れ着いた流氷も合わせて見ることができるため
知床らしい白と青のコントラストが神秘的な光景を存分に味わえます。
道中では、落葉した森の中を歩くため野生動物や野鳥を見つけやすいというメリットも。
愛らしいエゾリスが走り回る様子や、樹上に君臨する冬の王者オオワシの姿は迫力満点!
展望台の付近はエゾシカの越冬地にもなっているため、
雪の下に埋もれた草を掘り返して食べる姿なんかも見られます。
立派な角を持つオスのエゾシカに出会えたらラッキーです。
個人で向かう場合は知床自然センターにて、
スノーシューなどのレンタルが可能なので
利用すると良いでしょう。
information
名称 フレペの滝
住所 〒099-4356 北海道斜里郡斜里町遠音別村
電話番号 0152-22-2125 (知床斜里町観光協会)
アクセス 陸地:知床斜里駅から斜里バスで知床自然センター 自然センターから徒歩で約20分
海:ウトロから観光船
補足:ハイヒールやサンダルでの散策は危険、ベビーカーや車椅子での散策不可、
強風の可能性もあるため傘よりもレインコートが◯、
ヒグマ対策のため食べ物の持込み禁止、ペット同伴不可、
展望台と滝は離れているため望遠鏡があると良い
知床自然センターについて↓
所在地:北海道斜里郡斜里町大字遠音別村字岩宇別531番地
電話番号:0152-24-2114
FAX:0152-24-2115
開館時間:8:00~17:30(4/20~10/20)9:00~16:00(10/21~4/19)
※年末年始は休館
補足:館内にはインフォメーション・ヒグマ情報・レクチャーコーナー・
写真ギャラリー・スーベニアショップ・レストランなどがあります。
アウトドアグッズのレンタル&販売あり。
いかがでしたか?
フレペの滝は一般的な滝とは異なる部分が多く、
年中どの時期に訪れても一見の価値がある神秘的な光景を
魅せてくれるでしょう。
散策も楽しみつつ上方からフレペの滝を眺めるのか、
迫力満点の海上からのフレペの滝を眺めるのか、
あなたはどちらが好みですか?
知床半島には他では決して見ることができない貴重な自然の神秘が
数多く存在するのですね。
人生に一度は・・・いや2度3度は!
訪れてみたい場所ですよね。