オジロワシとは、
昭和45年(1970年)に、国の天然記念物に指定された、
タカ目タカ科オジロワシ属に分類される鳥類のことです。
オジロワシは、
ユーラシア大陸の中北部やアイスランドなどに分布しており、
日本では北海道東部で繁殖し、冬には本州まで南下してきます。
オジロワシの体の色は暗褐色で尾は白く、
オスよりもメスの方が大きいのが特徴です。
昨今の地球環境の変化により、
オジロワシの生存が脅かされており、
1993年には国内希少野生動植物種に指定され
また、絶滅危惧Ⅱ類(VU)(絶滅の危険が増大している種)
にも指定されています。
今回は、オジロワシについてご紹介していきます。
オジロワシとは
オジロワシとは、
タカ目タカ科オジロワシ属に分類される、
空の王者として知られている鳥類のことです。
1970年に、国の天然記念物に指定され、
その後の1993年には、国内希少野生動物種にも指定されました。
オジロワシは、森林伐採・土地造成・道路建設
などによって営巣地が破壊されたり、
工事やカメラマンによる繁殖のかく乱、
狩猟用銃弾による鉛中毒、電線による感電死、
そして、最大の要因である風力発電による衝突事故などにより
その生存が危ぶまれているのです。
オジロワシの生息地域
オジロワシの生息地域は、
ユーラシア大陸北部やアイスランド、グリーンランドに分布しています。
日本でも、北海道北部や東部で繁殖します。
また、冬鳥(渡り鳥)として主に北日本に渡来し、本州に南下してくる
オジロワシも確認されています。
オジロワシの特徴
オジロワシの全長は、オスが80cm、メスが95cm程度で、
オスよりも、メスの方が大きいという特徴があります。
また、オジロワシが翼を広げると、180㎝~230㎝程になり、
翼の幅は広くて四角い形をしています。
オジロワシの名前にもある通り、
尾が白く、短くクサビ形になっている尾羽は12枚あります。
体全体の色は、暗褐色ですが、頭部が淡い色のものが多く、
くちばしと足は、それぞれ黄色となっています。
オジロワシの餌
オジロワシは、サケ・マスなどの魚類を主食としていますが、
水鳥やアザラシの子などやウサギ、ヘビなども捕食し、
さらには、死肉も食べています。
特に知床では、根室海峡側の羅臼沖にいる魚類を求めやってくる
多くのオジロワシを観察することができます。
羅臼港から出港する観光クルーズ船に乗って海に出ると、
オジロワシが海上を悠然と飛び交う姿や、
冬の時期には流氷の上で羽根を休め食事をしている姿も見ることができます。
オジロワシとオオワシの違い
オジロワシとオオワシは、
ともに、1970年に国の天然記念物に指定されました。
また、オオワシもオジロワシ同様に、
絶滅危惧Ⅱ類(VU)(絶滅の危険が増大している種)
にも指定されています。
オジロワシとオオワシは、
同じタカ目タカ科オジロワシ属に分類されているため
いくつか共通点があり、とても似ています。
オオワシも、オジロワシ同様、
オスよりもメスの方が大きく、
さらに、オオワシは、日本最大の猛禽類で、
世界でもトップクラスの大きさを誇っています。
また先ほど、オジロワシの尾羽は白いとお話しましたが、
実際には、オオワシの方が体の白い部分が多いのが特徴です。
オオワシは、尾羽だけでなく、翼の羽にも白い部分があります。
オジロワシとオオワシを見分ける最大のポイントは、くちばしです。
オジロワシのくちばしが薄い黄色に対して、
オオワシのくちばしは、より鮮やかな黄色やオレンジ色をしています。
まとめ
今回は、オジロワシについて詳しくご紹介してきました。
オジロワシとオオワシは、どちらも国の天然記念物に指定されており、
大変希少価値が高い生き物です。
昨今の地球温暖化の影響や、私たち人間の暮らしとの関わりにより、
繁殖活動に悪影響を及ぼしていることが懸念されています。
知床へお越しの際は、羅臼港から出港する観光クルーズ船に乗って、
オジロワシが大空を悠然と飛ぶ姿や、
流氷の上で食事をしている姿を是非ともご覧いただければと思います。